山車のように

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今日はいい天気ですね。

今回は先日の夜間工事のときのことを書きます。

夜間作業は2日間行いましたが、1日目が終わった時点で問題が生じました。

現地を計測した結果を元に計画していたのですが、左折する大型トラックの軌跡が予想以上に大きくはらみ、道路幅員を取ってしまうことが1日目の作業でわかったのです。

夜間に事前に現地をチェックしなかった自分の甘さでした。

このまま道路上に高所作業車を置いては危険。

しかし、その部分の耐火防護をするにはその付近に高所作業車を設置しなくてはなりません。

そこで、高所作業車を中央分離帯に載せる方法を検討しました。

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実は当初より中央分離帯に入れたほうが安全ではないかという声もありました。

しかし、その中央分離帯は道路より約25cm高くなっていて、表面には明るい色の砂利を敷き詰めたような表面処理がしてある厚さ10cmのコンクリート版、またそれが築山風に盛り上げてある場所や、自然石を並べた場所が多数あり、作業するには狭すぎる。

よって中央分離帯で作業するより道路上から行ったほうが安全だという結論になりました。

でも今回はこの方法を検討する以外に方法はない。

しかも作業予定は明日。

どうすればよいのか・・・。

 

しかし、へこたれてはいられません。

何とかできる、何とかするしかないと思い直しました。 

 

まず、段差を解消するためにスロープを作ることにしました。

現地は交通量の多い側道沿いなのでクレーンなどは使用できませんから、スロープは人の手で設置できる軽いものでなくてはなりません。

で、近くのホームセンターへ住宅の乗り入れ用スロープを買いに行きました。

高さ15cm幅60cmのものがありました。

がっちりとしたつくりでこれなら、あと10cm程度の材木を下に敷き、もうひとつ高さ10cmのスロープを買えばすぐ済んでしまうな、と思いましたが、

値段が高い・・・。

1個5,000円程度、60cmでは幅が不安なので2列敷くとすると、3万円超えてしまう。

一晩のためにこれだけのお金を掛けるのか、しかし工事を終わらせないわけには行かない・・・、迷いました。

結局3万円が惜しくて、自分で角材を切り、カスガイでつなげて幅1mのスロープをつくりました。

3つに分割できるようにしたので一人でも簡単に運べます。これでスロープは解決。

 

次に玉石風のコンクリート版をどのように保護するのかという課題ですが、2t車クラスの車両を乗せるのですから、やわらかい緩衝材の上に鉄板を敷いてその上に高所作業車を乗せるのが良いだろうと思いました。

しかし、鉄板を置くにはクレーンが必要になって、そうすると交通規制をしなくてはならない。

当初より交通規制の日数短縮を目標にしていたので、他の案を探すことにしました。

 

そこで思いついたのが厚手のゴムマットです。

これなら重いのでタイヤが乗っても大丈夫だろうと思いました。

しかし、やはり1枚が大変重くて、大人二人でやっと持てる程度なのです。

しかも木の板のように形が定まらないので非常に持ちにくい。

こんなのです。

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実際自分でもってみたら、とても何枚も現地に手で敷く気にはなれません。

そこで、なんとか楽に現地に運ぶ方法はないかと考えました。

歩道には2tトラックが入れるので歩道脇には下ろせます。

そのあと十数メートルを手で運ばねばならないのです。

ゴムマットの数は10枚。

・・・

そうだ、まつりの山車を引っ張る要領でロープをつけてマットの下に台車を入れよう。

山車も相当な重さだけど長いロープをつけて大勢で引っ張れば結構楽なことを前に経験していました。

そこで、こんなものを作りました。

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台車部分をアップすると

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このオレンジの部分が1台で3tまで載せることができる台車です。

こんな形をしています。

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裏はこんなになってます。

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これを現地にもって行き、マットを5枚載せて引っ張りました。

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成功しました!

敷き並べる場所の近くまでこれで持っていけたので、相当楽になったと思います。

スロープも木のままでは壊れてしまうだろうと、いつもお世話になっているレンタル屋さんの店長に助言をいただき、ゴムマットを敷きました。

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そして、高所作業車を中央分離帯に無事乗せることができました。

乗せた瞬間は緊張していて写真どころではなかったので、落ち着いたころに写真を一枚とりました。

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築山があってこの上で動きがとれず、作業半径が小さくなってしまったその分は歩道にもっと大きな作業車を入れてカバーしました。

この日も無事作業が終わってよかったです。

みなさんありがとうございました。

それにしても背中が痛い。

 

 

 

このブログ記事について

このページは、耐火工事屋さんが2009年11月28日 12:20に書いたブログ記事です。

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